切土補強土工法
製作:日本基礎技術(株)

1.概  要


本工法は、鉄筋やロックボルトなどの比較的短い棒状補強材を地山に多数挿入することにより、地山と補強材の相互作用によって切土法面全体の安定性を高める工法である。
本工法の用途としては、施工中に小〜中規模程度の崩壊が発生または予測される場合の崩壊対策、ならびに切土法面を標準勾配より急勾配で掘削する場合の法面の安定対策として用いられる。
基本構造は、「補強材」・「注入材」・「頭部」・「のり面工」で構成される。頭部は〈プレート〉+〈ナット〉によりのり面工に固定され、のり面工が補強材と一体となることで補強材の引張り補強効果を発揮させ安定性向上を図るグラウンドアンカーは自由長部+定着部を持ちプレストレスを導入するが、本工法では補強材は全長にわたって注入材で地山に固定されるのでプレストレスは与えない。
                   


『補強材』 :異径棒鋼やロックボルトが用いられ、腐食環境の激しい場合にはエポキシ樹脂を塗布したものや連続繊維補強ロッドが用いられる。

『注入材』 :引張り力を地盤に伝達する役割と、補強材の保護の役割がある。

『頭  部』 :プレートとナットにより構成される。一般に補強材はのり面に対し垂直に設置されるが、垂直でない場合にはプレート下部に均しモルタルを敷いたり、テーパー付プレート等で角度調整を行う場合がある。

『のり面工』:補強材と結合され斜面全体や局所の安定性向上に寄与するものである。主なのり面工としては、〈モルタル・コンクリート吹付〉〈吹付法枠工〉〈現場打ちコンクリート枠工〉〈植生工〉〈ブロック積み〉などがある。

引用:「切土補強土工法設計・施工要領  東・中・西日本高速道路梶v 一部加筆


『補強材』 :異径棒鋼やロックボルトが用いられ、腐食環境の激しい場合にはエポキシ樹脂を塗布したものや連続繊維補強ロッドが用いられる。

『注入材』 :引張り力を地盤に伝達する役割と、補強材の保護の役割がある。

『頭  部』 :プレートとナットにより構成される。一般に補強材はのり面に対し垂直に設置されるが、垂直でない場合にはプレート下部に均しモルタルを敷いたり、テーパー付プレート等で角度調整を行う場合がある。

『のり面工』:補強材と結合され斜面全体や局所の安定性向上に寄与するものである。主なのり面工としては、〈モルタル・コンクリート吹付〉〈吹付法枠工〉〈現場打ちコンクリート枠工〉〈植生工〉〈ブロック積み〉などがある。

引用:「切土補強土工法設計・施工要領  東・中・西日本高速道路梶v 一部加筆













 

3.施工機械の種類と特徴

施工機械の種類と特徴

種類

特徴、適用地盤

作業範囲

削孔径(o)

レッグドリル

本工法は、仮設の場合のみに用いる。

人力によって削孔するため、削孔長は3m程度まで可能である。土質は風化岩程度まで削孔可能である。なお、孔壁崩壊性地山1に用いる場合は、通常の補強材に替えて自穿孔式の補強材が使用できる。

高さ1m、水平から下向

45°程度まで

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42522

クローラドリル

クローラ駆動の自走式で、空圧・油圧による削孔機である。機械重量が重いため通常土足場で使用される。通常の機種では削孔長は4m程度までであるが、機種により高性能のドリフタや長いガイドセルを使用することで7m程度の長尺削孔が可能である。土質は硬岩程度まで削孔可能である。なお、仮設目的として孔壁崩壊性地山1に用いる場合は、通常の補強材に替えて自穿孔式の補強材が使用できる。

機種により高さ5mまで

水平打設可能。

打設角は水平〜鉛直

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42522

定置式ドリル

駆動装置を有しない空圧・油圧による削孔機である。軽量であるため、単管足場上で施工可能である。通常の機種では削孔長は4m程度までであるが、機種により高性能のドリフタや長いガイドセルを使用することで7m程度の長尺削孔が可能である。土質は硬岩程度まで削孔可能である。なお、仮設目的として孔壁崩壊性地山1に用いる場合は、通常の補強材に替えて自穿孔式の補強材が使用できる。

機種により水平打設で高さ

1m程度の施工可能。打設角は水平〜鉛直

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42522

クレーン式ドリル

削孔機をクレーンに吊り下げ,または直接取り付けて施工する。のり面上の足場が不用で、クレーンの吊り上げ能力に依存するが、通常高さ30m程度まで施工可能である。削孔長は5m程度までであるが、機種により高性能のドリフタや長いガイドセルを使用することで7m程度の長尺削孔が可能である。土質は硬岩程度まで削孔可能である。なお、仮設目的として孔壁崩壊性地山1に用いる場合は、通常の補強材に替えて自穿孔式の補強材が使用できる。

クレーンにより異なるが高さ2030m。打設角10°〜60°下向きの施工が可能

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デュアルモードドリル

エアグラウトドリル工法(エア併用セメントミルク削孔)の油圧稼働専用機で削孔長は10mまで対応可能である。クローラ、スキッドの両タイプの施工ができ、スキッド仕様では最小1.5mの作業幅で施工が可能である。クローラ仕様は旋回可能で、のり面両端部の施工が可能である。土質は硬岩程度まで削孔可能である。なお孔壁崩壊性地山1に用いる場合は、エア併用セメントミルク削孔として、孔壁の自立が確保できる地山では通常のエア削孔としての利用が可能である。

打設角によるが3.5m前後の打設高さ。スキッド仕様ではクレーンにより異なるが高さ20m程度。打設角は水平〜鉛直。旋回可能でのり面の両端部を施工可能

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オートボルトセッター

バックホウを改良した自走式ベースマシンに自動打設装置を装着し、削孔、注入、補強材の挿入までの動作を機械化施工できる。打設角度を一度設定すれば、高さ方向の連続打設が可能である。削孔長は5m程度まで可能であり、作業幅としては最低の6mの確保が必要である。土質は硬岩程度まで削孔可能である。なお仮設目的として孔壁崩壊性地山1に用いる場合は、通常の補強材に替えて自穿孔式の補強材が使用できる。

打設角による11m前後の打設高さ。打設角は

水平〜11.5

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ロータリーパーカッションボーリングマシン

定置式

主に7m以上の長尺削孔や永久の孔壁崩壊性地山1の削孔に使用する。油圧ロータリーパーカッションにより全ての地盤で急速削孔が可能である。削孔機部とパワーユニット部が分離し足場の狭い箇所でも施工可能である。長尺削孔が可能で削孔高さや削孔角度が調整可能である。全ての地盤に適する。

打設角により0〜1.5m前後の打設高さ。打設角は水平〜鉛直まで。削孔機正面のみ削孔可能

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クローラ式

主に7m以上の長尺削孔や永久の孔壁崩壊性地山1の削孔に使用する。油圧ロータリーパーカッションにより全ての地盤で急速削孔が可能で、クローラより迅速な稼働・削孔位置決めができる。重量大のため土足場または仮設構台上の施工となる。長尺削孔が可能で、全ての地盤に適する。

打設角によるが高さ0〜2.5m前後程度まで。角度水平から鉛直の削孔範囲。機械前面および機械側面の施工可能。

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ロータリー式ボーリングマシン

主に7m以上の長尺削孔や永久の孔壁崩壊性地山1の削孔に使用する。小口径から大口径まで各種あり、横方向削孔用のロングフィールドタイプもある。一般に定着式であり、単管足場上で使用する事が多い。ほとんどの地盤に適用できるが、玉石軟岩・硬岩にはやや不適である。

打設角により00.5m前後の打設高さ。打設角はスピンドリルタイプで360°ロングフィールドタイプで水平

(機械本体に調整機構無)

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1 孔壁崩壊性地山:崩壊性、レキ混じり土等の孔壁の自立が確保し難い地山を指し、削孔後に孔壁が崩壊するなどして、その後の補強材の挿入が困難となる。

2        :自穿孔式の補強材を用いる場合

「切土補強土工法設計・施工要領  東・中・西日本高速道路梶@P7071







4.標準的な施工機械選定フロー (参考)